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・・・半読状況1

実は以前より数冊のホラー小説を読んでいますが、未だに読破していません。
読破していないのにかなり微妙ですが感想を少々。。。

「澪つくし」明野照葉
明野照葉さんの短編集。7話収録されていますが「かっぱタクシー」「三途BAR」「ジェリーフィッシュ」まで読みました。
明野照葉で一番最初に読んだのは「棲家」(引っ越してきた家に因縁がありタタられる)でした。この本はオビに高橋克彦が批評を寄せていて、ちょっと忘れてしまいましたが「今年読んだ中で一番怖い」とかそんな感じで書かれていたので買ってみました。一番怖いとは思えませんでしたが面白かった。
明野照葉さんは土着の信仰とか民間信仰とか民俗系の設定が多く個人的には好みです。民俗系で書く女性作家というと寡聞な私が思い出すのは坂東真沙子さんと岩井志麻子さんですね。でもお二人ともちょっとエロの世界が耽溺系というか・・・行き過ぎてしまった感がありまして最近読んでいません。その点明野照葉さんはその部分はお二人に比べたら淡白でしてそのほうが好みだったりします(エロ漫画家のくせに、しかもお尻マンガ家のいうこっちゃ無いですけど)。
明野照葉さんは先のお二人に比べると現代風というかライトな感じです。ただ、これは個人的なことなのですが私は明野照葉さんの小説は何か主人公にのめり込めません。「視点が女性」というのを強く感じるのです。男の私はそこが今一歩のめりこめない理由かも、と感じています。男性が主人公の場合でも「女性の視点だなあ」と感じることが私には多い気がします。逆にいえばそれだけ「女性の目の作品」だと思います。だからといって嫌いではなく好きな作家です。まだ読んでいない「輪廻」や「闇の声」も読んでみようと思っています。

民俗系?は「ぼっけぇ きょうてぇ(岡山弁で すごくこわい)」のインパクトが忘れられず、一時期集中して岩井志摩子を読みました。ちなみに岩井志摩子さんは週刊ポストなど所々でご自分を「ドスケベ」とおっしゃっています。でもその「ドスケベ」の方向が行き過ぎたような気がして、私は新潮社から出た短編集「摩羅節(まらぶし)」の途中で読むのに力尽きました。以来読んでいません。
でも最近、解説を読むと「累が淵(かさねがふち)」を彷彿とさせる「べっぴんぢごく」、なんとなく「岡山女」の設定に似てるなあと思った「瞽女の啼く家(ごぜのなくいえ)」は久しぶりに読んでみたいなと感じました。「ホラーは短編がおもしろい」と言ったのはホラー小説家の井上雅彦だったと思いますが、岩井志摩子さんは中篇以上、明治、大正の設定が良い気がします。(「ぼっけぇ、きょうてぇ」は短編にはいるでしょうけど・・・)
ドスケベも岩井志摩子さんの魅力ではあるのですが、そっちがメインの話や なんかエロが行き過ぎている話は個人的にはあまり好みではありません。「生き地獄」・・・私個人としてはこれが岩井志摩子の小説の魅力だと思っていまして、そんな期待を「べっぴんぢごく」には持っています。結局、岩井志摩子のファンなんですよね。(かつてライトノベルも別のペンネームで書いているのですが、そちらは読んだことないんですけど)

「セピア色の凄惨」小林 泰三 (多少ネタバレがあります。)
さびれた探偵社に一人の女が数人が写っている一枚の写真を持ち込む。
「ここに写っている親友の女性を探して欲しい」
探偵は写真に写っている他の人達に合い、親友の行方を捜すのだが・・・。
探偵が親友を探すために合う4人の人間の物語です。
「待つ女」「ものぐさ」「安心」まで読み、最後の「英雄」だけまだ未読です。文章はすべて自分語りという格好で進むので読み始めたときは「失敗かな」と思ったのですが(ちょっと苦手。でも折原一は好きという矛盾がありますが)このストーリーはこの形がベストだと感じました。
ストーリーテラーの探偵がやたらシニカルで一癖あります。なにせ出会う4人(まだ3人しか読んでませんが)の人生がかなりキョーレツなのに、何故か淡々としていますから。
でも小林 泰三さんはダメ人間の描写が上手いというか、エグイと感じます。(笑
二人目の「ものぐさ」(怠惰が度を越している女の話。家事放棄、育児放棄家庭を崩壊させていく)を読んだ時、角川ホラー文庫「忌憶」(小林 泰三著)を思い出しました。あの主人公もかなりですが今回はひどいですね。でもなにか本当にこういう人がいそうだから怖い・・・。でも一番怖いのはやっぱり3人目の「安心」(どんなことでも試さないと安心できない女)ですね、怖すぎ。。。
以前「クトゥルフ」を知らないことを書きましたが、その発端はこの小林 泰三 さんの「玩具修理者」です。どうやら「クトゥルフ」を知っていると「にやり」と出来るそうなのですが私は全然知らないので残念です・・・。
 なんとなくではありますが「セピア色の凄惨」はオチが自分なりに想像ついたような・・・。想像どうりかどうか楽しみも出てきましたし、できれば今月中に最後まで読んでみたいと思います。

まだあるのですが書ききれないので・・・てか、ちゃんと読破してから次買え、って感じです。でも買っておかないと読みたかった本を忘れてしまいそうで・・・。
♪パンツ占い♪
今日のパンツ占いだよ!
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ふじさきまこと

Author:ふじさきまこと
エロ漫画家 藤咲 真です。


単行本は過去12冊
(単行本化されていない作品集めると2〜3冊分ありますけど・・・)


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