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自分が再びアニメを観るようになった事

ある先生の勧めにより原作を読んだのは一昔前のことです。

そして自分を再びアニメを観るようにしてくれたのが「涼宮ハルヒの憂鬱」でした。原作にもかなり忠実で、放映順序を除けば違和感を感じるような所はほとんどないと感じました。

当時「京都アニメーション」の作品は演出が原作に忠実というのが評判で、だからこそ逆に個性がないみたいな感想があったとも記憶しています。「涼宮ハルヒ」はキャラCDも全部持っていますし、フィギュアも未だに大事に箱の中。でも東日本大震災の時に、一部が破損してしまったのが残念でなりませんでした。

以前にも書きましたがNHK「少年SFシリーズ」や眉村卓作品を思い起こさせる「涼宮ハルヒ」を自分は今後もずっと視聴していくことでしょう。今でも続編を期待しています。また最近は「響け!ユーフォニアム」シリーズを全作観たいと思っています。

自分は本当に一ファンです。残念でならず、犠牲となられたクリエイターの方々に心からの哀悼の意を捧げます。

「ジュラシック・ワールド」を観ました

ずっと観たかった「ジュラシック・ワールド」を観ました。

一時「ジュラシック」と名を冠した「亜流」の多かったこと、多かった事。そのほとんどが原作「ジュラシック・パーク」とはまったく関係なく封切(DVD発売)に当たって勝手に日本で付けらられたものらしい。現在の「映画の名づけ」センスの無さは恐ろしい程ですねえ…。アメリカンニューシネマ時代の名付けなんかたまらんものでしたもんね。「ボニー&クライド」が「俺たちに明日は無い」、「ビッチ・キャシディ&サンダンスキッド」が「明日に向かって撃て」ですもん。でもその後「明日」シリーズ?の有象無象が出たのも確か。昔からかやっぱしぃ、日本のテキトーな映画の名付けは(笑)昔はその辺雑だと思うけど、現在は著作権やら何やらで文句言われないのかしらん???

「ジュラシック・ワールド」は正当な「ジュラシック・パーク」の続編です。「Ⅱ」「Ⅲ」とあまり面白くなかった中、今回は面白かった。それもそのはず「ジュラシック・パーク」とほとんど内容が変わらない(苦笑)今や定番となったジュラシック・パークの新アトラクションに新型恐竜、遺伝子操作した最強の恐竜を投入するというお話。ラプトルも出てくるが今回はお仲間?的存在。「ジュラシック・パーク」が好きだったら一見の価値あり。純娯楽作品です~。そして自分の感想は「最強はモササウルスか~」です(笑)

最もバカげた争乱?観応の擾乱

中公新書から「観応の擾乱」という本が出ました。
今年の初旬から話題になった「応仁の乱」の第二弾という所でしょうか。

高校から中学にかけて最もわかりにくいのはこの南北朝、室町時代です。本当に分かりにくい。南北朝と言うけれど既に室町幕府は開かれていますので南北朝も「室町時代」初期と言えなくもない。しかし室町時代にしちゃうと朝廷より上に武士の政権がきちゃうことになるので南北朝にしたんでしょうかねえ??とにかく学生時代は最も嫌いな時代でした。ところが今は大好き(笑)日本の最悪な所と良い伝統?がぶつかり合ってるように見える、それが室町時代に感じるんですよねえ。「応仁の乱」も最初は

将軍の息子 足利義尚・山名宗全 VS  将軍の弟 足利義視(よしみ)・細川勝元

で始まりましたが結局

将軍の息子 足利義尚・細川勝元 VS  将軍の弟 足利義視・山名宗全

になっちゃいます。東軍が細川勝元で西軍が山名宗全で始まり、最後にはそれぞれが推す次期将軍が逆になってしまいます。なんでこうなるの?最大の理由は現将軍である義政。乱の最初から東軍側にいたけど「いた」だけで跡継ぎを決めなかった。乱が拡大してからも次期将軍を決めませんでした。が、結局最後は息子の義尚に将軍を譲る。もう長年戦ってきた西軍は引くに引け無くなって義視を「将軍格」として迎え戦い続けた…。そもそも義政は現将軍なんだから最初から鶴の一声で「息子を将軍にする」と言えば済むのにそれができなかった。

なんでかちゅーと義政は「俺はめんどくさい将軍なんか止める」と言い出し、比叡山の高僧であった弟の義視を還俗させて無理やり次期将軍として立てたからです。義視は御台所、つまり義政の妻 日野富子がまだ若く「子供ができたらどうするのか」と兄に問いただします。すると「子供ができたら出家させて僧にする。お前が将軍だ」

でも、そう言われてもすぐには信用できない。結局息子が可愛いってことになるんじゃないかと。。。そのため義視は保証人を求めます。それが細川勝元。大大名で管領を務める細川勝元が後見人になることで、やっと義視は還俗することを決めました。このまま行けば当然、乱(戦争)なんて起きないはずでした。

もちろん、このままでは済みませんで、富子が男の子を産んだのです。富子は当然実子の義尚を将軍にしたい。僧になんかしたくない。「あーた、息子が可愛くないの⁉」妻である富子に追い詰められ「義視(弟)を将軍にする」とどうしても言えなくなってしまった。富子も息子 義尚の為に後見人を求めました。それが中国地方に一大勢力を持つ大大名の山名宗全。

二つの権威(弟 義視、息子 義尚)に武力(山名宗全、細川勝元)が結びつきました。これはいつか戦争にならざるを得ません。…という見方はシロウト。本当はもっと複雑であるというのが御座勇一「応仁の乱」です。シロウトが乱の原因は将軍後継問題というのは良いが、研究者にとってはそんな単純なものではない、と。実際、乱の始まりは畠山政長(おい)と畠山義就(おじ)との骨肉の合戦から始まってますけど、これが結構複雑。(「御霊合戦」)つまり他の大名の相続争い、悪党(新しい勢力)と旧勢力の対立、国一揆、土民一揆、仏教寺院同志の対立などなど~複雑で無茶苦茶な時代なんです。わかりにくくても仕方ないですよねえ…。高校日本史の1時間授業では到底無理です(自分の時は応仁の乱は1時間でしたので)

でもやっぱりこの乱の全ては現将軍だった義政だと思います。「大御所(引退した将軍)になって自分の趣味に浸りつくしたい」その為に弟を将軍にしようとした事、それを徹底できなかった(実子義尚が生まれてしまった)事、将軍後継問題をズルズル引っ張ってしまった事にあるんだと思います。義政はとんでもない将軍でしたもんね。当時大飢饉中だった京都で大々的に酒宴を催したり、餓死者が累々と横たわる京都を横目に花見の宴を開いたり…。その上に別荘を建てたり能、狂言に戯れます。しかし皮肉なことにこれが「東山文化」になるんですよねえ。日本の美とも言える陰影の美はここからとも言える。本当に皮肉なことです…。

この応仁の乱に負けず劣らないのが今度本が出た「観応の擾乱」です。室町初期のこの乱?は結果がすごいバカげてる…って長くなったので今はここで打ち切りです。。。なにせ今度?は南北朝もからんで来ますから(汗)…思えば、有名な「乱」というのは多くが「跡継ぎ問題」。つまりは骨肉の争いっちゅー悲しい歴史ですね…。。。日本史好き男の思いひとしおですねえ。。。

PS 応仁の乱最初の合戦「御霊合戦」 御霊神社で行われたこの合戦も畠山家の内乱。叔父と甥の戦いで一方が畠山政長、もう一方が畠山義就(よしなり)と自分は習いました。でも「応仁の乱」を読んだら畠山義就(よしひろ)となってました。どうやら「よしなり」でも「よしひろ」でもどちらでも良いようなのですが、最近読んだ本はほとんど「よしひろ」。「よしなり」で覚えている自分はなんとなくしっくり来ないんですよねえ「よしひろ」(苦笑)

小松和彦「京都 妖界案内」・・・「事実は合理的よりも奇なり」(改定)

先日、いつもどおり病院に行ってまいりました。(「ブレード・ランナー」を観た日)

病院は完全予約制なのですが1時間前後待たされることがあります。いつもはただぼ~~~として待っているのですが、今回は買っていてまだ読んでない本をもっていきました。その本は小松和彦「京都 妖界案内」。

以前に何回か書いたと思いますがこの手の本で一番最初に読んだ本は小松和彦&内藤正敏「鬼がつくった国・日本」。この本の中心はずばり日本のかつての帝都・平安京がどのように造られたかという事。平安京が唐の首都長安をまねて造られた事、そして平安京は四神相応の地になっていることは今や有名ですが、わざわざ長岡京造成を中止して何故 平安京を造ったか以前は諸説がありました。長岡京が洪水に襲われ地味が悪いからとも言われましたが、その主な原因は造成責任者の藤原種継の暗殺、そしてその首謀者の一人として皇太子 早良親王(さわらしんのう)が罪に問われ幽閉、無実を訴え食を断ち餓死した為と言われています。

事実 早良親王は無実だった。では何故 罪をかぶせられたかというと当時の桓武天皇が実の子に皇位を譲りたかった為。早良親王は桓武天皇の弟でした。弟がなぜ皇太子なのかというと 父 聖武天皇が桓武天皇のあとは弟の早良親王につがせよと決めたからです。

しかし父帝の崩御の後、桓武天皇は弟よりやっぱり実子に継がせたいと思うようになります。親としては当然の思いですが父帝の決め事を簡単には破れないし周囲も納得しない。そんな時長岡京造成の長官藤原種継が大伴氏に暗殺される事件が起きる。ここぞとばかりに早良親王がこの事件に連座しているとして皇太子を取り消し、実子の安殿親王を皇太子にしました(のちの平城天皇)。早良親王は無実を訴え憤死(怒りを抱えながら死ぬ)。この早良親王が歴史上 初の怨霊と言われます。つまり早良親王の怨霊から逃れるため、桓武天皇は長岡京造成を中止、四神相応の地である平安京(京都)に都を移したとされています。しかも早良親王が怨霊になるということはとりもなおさず「無実であった」事を証明してます。無実でなけりゃそんな強い怨みに怯える必要ないですから。

最近では教科書にもこの説が(初の怨霊信仰として)載るようになりましたが「鬼がつくった国・日本」が出版された20年くらい前は「怨霊を恐れて都を移す、そんなバカなことがあるもんか」が主流でした。そんな中、小松和彦の「死者(怨霊)がこの世を動かす」「都さえも鬼(怨霊)の影響で造られた」はとても新鮮で目からウロコでした。しかしながら…最近読んだ「京都妖界案内」では「平安京が造られたのは早良親王の怨霊を恐れたせいではない」みたいな事が書かれてあり驚きました。

何故なら京都という都市が「あらゆる鬼から守られる形で設計された都市」であるから早良親王の怨霊のせいではないというんです。う~ん・・・確かに古地図から紐解いた説得力あるものですが、これは民俗学者の吉野裕子先生がとにかくなんでも「陰陽五行説」となんか似てるような。でもさすが学者です、地図を論理的に紐解いたものですから。でもやっぱり日本は鬼 怨霊信仰の国 ではないかと思います・・・というかそっちの方がいい(爆)だからやっぱ「怨霊への恐れ」が平安京遷都だと考えたいですねえ(笑)「早良親王の怨霊(への恐れ)」が都を造ったと…。

何故なら今回の「京都 妖界案内」を読んで「あらゆる鬼から守られる形で設計された都市」というのはむしろ「後付け増強」に感じたからです。

この「後付け増強」というのは理論に「後付け増強した」という意味ではなく「もともとは早良親王の怨霊対策だけれども、その対策は鬼神封じにもなる(後付け増強)」という意味。

例えるなら「蚊に刺されるのが嫌だから虫よけスプレーを使った」場合。

この行為を後から論理的に考えると「虫よけスプレーは蚊ばかりに効くものではない。だからこの人は蚊の対策だけとは断言できない」と言うようなもの。つまり虫よけスプレーの効能が広く色々な虫に効いてしまうので誤解が生まれるという事です。これは論理的に考える頭がいい学者だからこそ起こる事だと思うんですよね。「あそこはやぶっ蚊が多いし、虫よけスプレー使おう。ついでにほかの虫よけにもなるしね」発端はやっぱ「蚊」であり「蚊」が虫よけスプレーを使った原因。つまり

「怨霊」が怖い=「蚊」が嫌いだ
これが真実だけど後(後世)からみると
「平安京はすべての鬼神に対する防御になっている」=虫よけスプレーを使う
「だから平安遷都は早良親王の怨霊のせいではない」=全ての虫に効くのだから「蚊」が原因ではない

これと同じになってるように感じるんです。

先に早良親王が歴史上 初の怨霊と書きましたこれは現在の歴史学?上での話。実はそれより先に怨霊ではないかと言われてる方がおります。それは長屋王。里中真知子先生が「長屋王」という漫画を描いています。けど読んでないのでそちらは判りませんが、本当の「初」怨霊は長屋王ではないかという説は多いです。

奈良時代、聖武天皇がお母さんである藤原宮子を皇后(大夫人)と敬称するよう詔を出します。当時は幾人も妻があり身分によって皇后、妃、女御など名前が付けられていました。その中のトップである「皇后」には皇族の係累でなければ付けないという不文律がありました。「藤原」宮子と「藤原」姓でもわかる通り、聖武天皇のお母さんは藤原氏出身。普通は皇后になれませんが聖武天皇はそれを「皇后」としたのです。

それに反対したのが長屋王。また聖武天皇の妻の一人である、これまた藤原氏出身の光明子を皇后にする事にも反対していました。当時政権を牛耳っていたのは藤原4兄弟(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)。4兄弟はなんとしても藤原の血を引く天皇を誕生させたい。その為には自分たちの妹である光明子を皇后にしたい。それに反対している旗頭筆頭の長屋王はなんとしても排除しなければならない。

藤原4兄弟は長屋王が「自分の息子を皇太子にするため天皇を呪っている」という罪をでっち上げました。長屋王は藤原4兄弟が差し向けた軍勢に取り囲まれ失意のうちに妃、皇子と共に自殺します。。。

も~怨霊になる条件はそろいましたね。しかも「タタリ」まで起きます。長屋王の死後、間もなくして都に「もがさ」という疫病が蔓延。多数の死者がでます。天然痘です。この流行り病により藤原4兄弟は順番に死んでいきました。しかもあれだけ待望した藤原氏の血を引く男の子、基王は1歳で夭折(数えだから0歳)これを当時の人は「長屋王のタタリ」と見たんですね。この時こそが長屋王の「怨霊」つまり初の「怨霊誕生」ではないかと言う説があります。

この後聖武天皇、そして皇后となった光明子がその当時は「最新の科学」である仏教の熱心な信者になります。(もともと信者でしたが「熱心な」になります)そして全国に国分寺を建て、当時の国費のほとんどを費やして奈良に大仏を建立。仏教で国家安定を願ったのに国家財政を破綻にまで追い込んでしまう。「奈良の大仏」の建立理由は「聖武天皇、そして皇后となった『光明子が熱心な仏教信者』だから」と習いました。納得できるような出来ないような。国家財政を傾けてまで「仏教にすがった」のは長屋王のタタリを恐れたせいではないのかしらん??つまり「国家を安定させる仏の功徳」は「後付け増強」でその発端・・・「蚊」は「長屋王の怨霊」ではないのかしらん?

「長屋王のタタリだと当時の人は考えた」というのは憶測で文献上の証拠はありません。文献上は早良親王が「初」怨霊です。だけど「長屋王=初怨霊」説、自分はこの説の方が好きなんですよね(笑)これぞ「鬼がつくった国・日本」って感じですし(長屋王の話は載ってませんけど)だから小松和彦先生はこういう説が好きなのではと思っていましたがどうやら違う感じ。。。ちなみに長屋王の御父上、高市皇子(たけちのみこ)にも「初怨霊」説があります。

ある人が心霊スポットの空き家に行った。どうやら祟られたらしい。不動明王のお札を身に着けた。不動明王はすべての悪霊に効果があった。

平安京の設計はここでいう「不動明王のお札」になります。「怨霊(早良親王)への恐れが平安京を造った」この説のほうが自分としてしっくりきます。時として「実在するもの」(地図からみた平安京)よりも「続日本記」などの書物の方が正しい時があるのかもしれません。これもまた「事実は小説より奇なり」かも。ここでは「事実は合理的よりも奇なり」ですかね~。自分でいうのもなんですけどこの言葉気に入った(笑)使っていこう「事実は合理的よりも奇なり」(笑笑笑)

「ブレードランナー 2049」を観ました。(少し手直し++)

病院行くついでに「ブレードランナー 2049」を観ました。

「吹き替え版」は朝の一回。仕方なく病院へ行く前に観ました。毎度のごとく、先に情報はまったく入れてなかったので、完全新作かと思っていたら前作の続編です。やっぱ前作観てないときついかも…と思いました。
-----あらすじー以下、ネタばれもあり----
レプリカント それは外惑星開拓の為に造られた人造人間。
LAPD(ロサンゼルス警察)所属のケイは新型のレプリカント。旧型のレプリカントを「解任(処分=殺害)」するのが役目。つまり「ブレードランナー」である。旧型レプリカントは過去反乱を起こしその為、旧型レプリカントを造っていたタイレル社は倒産。その後を引き継いだのがウォレス社。ウォレス社の造る新型レプリカントは安全性が高く役目によって性格も自由に付けられる。ブレードランナーのケイは上司の命令には逆らえない(ようになっている)。

郊外の古びた農園でケイは旧レプリカントの一人を「解任」する。彼は死の間際「お前は奇跡を見たことがあるか」と言葉を投げかける。ケイが農園をスキャンすると枯木の下に何かが埋まっているのを発見。そこには人骨がありそれは旧レプリカントの女の骨であった。しかもその女レプリカントは妊娠して出産している事がわかる。レプリカントが妊娠できると大衆に知れれば何が起こるかわからない。恐怖に駆られて暴動が起きるかもしれない。LAPDのボス ジョシ警部補はこの事を秘匿し「全てを無かったこと」にするようケイに命令。ケイはレプリカントが妊娠した証拠、その最大の証拠である「レプリカントが産んだ子供」を処分する任務に出発する・・・。

まず思ったのは上映時間が長く感じました。9時半にはじまって終わりが12時半。3時間ですね。(自分がよく観てるものは)大抵1時間半、ながくて2時間くらいなのですが3時間はちと長い。でも映像の演出に凝ってこうなったんでしょうねえ。先にも書きましたが前作「ブレードランナー」の正式な?続編です。前作でのレプリカントは確か ほぼ2年しか寿命がない。その間に自我を持つものが生まれ、短い命を「人間のように」有意義に生きたいとして逃げ出す。しかも逃げるときほとんど全員が殺人を犯す。レプリカントの身体能力は重労働に耐えられるよう人間よりもずっと高く造られているから。見張り人や上司を殺し逃げ出したレプリカントを処分するのがブレードランナー。前作主人公デッカードもLAPDの選任捜査官となっていますが、むしろ「バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)」っぽかった。今回の主人公は新型レプリカントという設定なので上司に逆らえない。ので本当に「部下」っぽい。この辺りのレプリカントの知識がないとちゃんと楽しめないかもなあ…と思いました。

ケイはホログラフのAI「ジョー」と恋仲。AIもケイを愛している。いかにも現代に撮られた続編って感じですね、AIが自我を持っているというのは(笑)

お話は進んで前作の主人公デッカードが任務を放棄して一緒に逃げたレプリカントのレイチェルがj子供を産んだとわかる。

前作でレイチェルは確か特別仕様のレプリカントで寿命がどのくらいあるかわからないとなっていたように思うんですけど、今回は旧型レプリカントの最終生産型となっています。ということは何体もあった、って事ですねえ。デッカードはレプリカントであるレイチェルを愛してしまい、ブレードランナーの任務を放棄して逃避行するのが前作のラスト。ということはデッカード(人間)とレイチェル(レプリカント)の間の子供ということになります。

デッカードはレプリカントの子供とわからぬように色々工作をしていた。同じ塩基配列の男女の双子。しかし同じ塩基配列で男女が生まれるはずはない。子供は男の子だったとわかる…。

「あ、定番だな」と思いました。でも違うんですよね~。つまり旧型レプリカントのレイチェルの子供はケイなのではないかと。定番な落ちっぽいけど実は~~~……なのですよ。う~ん、あのまま定番落ちの方が好感もてるような。ぶっちゃけ、個人的に「ケイが実は~」みたいな定番落ちで良かったんじゃないかと思ってるんですよね(苦笑)諸々あって「革命軍のリーダーになるべき存在」とかってなってくんですけど、、、なんか「ターミネーター」を彷彿させてしまいます。(なるべくネタバレしないように書いているので「なんのこっちゃ?」と思うかもしれませんが観ればわかります)

旧型の情報を得るためにケイはウォレス社に出向く。そこでウォレス社長は「レプリカントの子供」がいることを知ってしまう。どうしてもその子が欲しい。それは量産も容易だから。何度もそういうレプリカントを造ろうとして失敗、また失敗。(このあたりの描写は魔術がかった感じです)そこで秘書のラブにケイを監視させ、ケイが「レプリカントの子供」を見つけたら横取りするよう画策。その秘書のラブもまた新型のレプリカントだった・・・。
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もう、なんか入り組んでて綺麗に纏められないですが、個人的感想としては「面白かった」です。
全作よりちょっとHな表現も良かった。でっかい全裸の女のホログラフィ(ハイヒールだけはいてる)が話かけてくるとこなんてとってもいい感じ(笑)やっぱCGは偉大ですねえ。でも背景全てがどこかの漫画や映画で観たことあるように感じるのは拭い切れません。でっかいホログラフィもアキラや王立宇宙軍、街並みは攻殻機動隊で観たことあるように感じたり。また廃墟になった風景は「フォール・アウト」や「バイオ・ショック」等のアメゲーを感じさせます。廃墟のカジノなんて個人的に「フォール・アウト3 ニューベガス」の拡張版「シエラ・マドレ」を思い出してしまいました(苦笑)でもその表現も発端、その端緒こそが前作「ブレード・ランナー」ですから、こっちこそがオリジナルなんですよね。

そういえば日本語も健在。前作ではうどん?を二玉頼むデッカードに日本語で「ひとつで十分ですよ!」と言ったり、ビルの映像看板に「黄桜」のCMが流れたりと「日本」がいっぱい出てきます。日本語は話さなかったようですが(吹き替え版なのでわからない)看板は日本語いっぱい(笑)ケイが住んでるのも「フジ?アパート」でしたしジュークボックスにSONYと刻印されてたり。ま、SONYはスポンサーですからねえ、色んなところに刻印されてました。かつて友人から聞いた事なのですが前作で何故日本語が沢山出てくるのかというとお金持ち白人はすべて外惑星に行ってしまって地球に残っているのは企業と外惑星に行けない貧乏な人…つまり有色人種、日本人という設定だと聞かされました。ま、ほんとかどーか判らないです。ブレードランナーの世界では雨がやたら降ってますが(酸性雨)海外では日本は雨が多い国と見られているそうです。実際梅雨と秋雨前線と年に2回、じっとり雨が降る国ですから正しいのかもしれません。が、「雨の黒沢」と言われるぐらい黒沢監督が雨の表現を好んだせいかもしれません。ブレードランナーの酸性雨、日本語も本当は「黒沢の影響」???かも知れない???

表現といえばなんか懐かしくて新しい感じでした。白黒の縞模様とか波の光とか(観ればわかります)ちとマン・レイ(画家、写真家)を彷彿とさせます。ダダイズムですね。1916年のダダ、1934年のシュルレアリスム、1948年ネオダダとそんな感じ(どんな感じだー苦笑)
ちなみにウルトラセブンの「ダダ星人」はこのダダイズムからきてるとか。マン・レイが撮った「キキ」の裸体写真が原型…と言うがキキはあんなブサイクじゃありません。キキは当時のエコール・ド・パリ(パリ野郎)の面々を魅了したんですから。彼女をモデルとして作品を描いた画家はピカソをはじめマティス、マッケ、藤田嗣二、デュシャン 等々と層々たる面々。ついたあだ名が「モンパルナスのキキ」。でもそんな美貌を誇り、幾人もの芸術家、詩人と浮名を流したキキも晩年はアルコールと薬物の乱用で体系が崩れ、そしてぶくぶくに太った姿で安アパートの一角で薬物中毒により死亡したそうです。たしか34歳だったかと…。百人一首 小野小町「花の色は移りにけりな いたずらに わが身世に振る 眺めせしまに」(桜の花がいつの間にか色あせてしまうように私の色香も失われたのかしら、この世で無為に過ごしてるうちに)を彷彿させますね…。

ちと話がずれましたが前回観た「エイリアン:コヴェナント」よりずっと「リドリー・スコット」っぽい。でもリドリー・スコットは製作総指揮で監督は別です。前作「ブレード・ランナー」も良かったけど個人的にこの映画はブルーレイが欲しくなりました。
♪パンツ占い♪
今日のパンツ占いだよ!
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プロフィール

ふじさきまこと

Author:ふじさきまこと
エロ漫画家 藤咲 真です。


単行本は過去12冊
(単行本化されていない作品集めると2〜3冊分ありますけど・・・)


お仕事依頼はツイッター 藤咲真 18禁 へどうぞよろしくお願いいたします。

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