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清すぎる水は・・・魚も住めない?後編

定期健診の眼底検査に行ってまいりました。
眼底検査が年々(自分は半年ごとですが)簡単になっていくような気がします。最初の頃は目にレンズを入れて診たのですが、半年前は外側からレンズを使って覗くのみ。今回は通常使ってる検眼器具で普通にみて「異常なし」・・・。う~ん、なんとなく釈然としませんがカルテには以前の具合が書かれてる事でしょうからこの程度で良いと判断されたのでしょうか。それに6ヶ月検診で結構頻繁ですしね。。。

前回の続き

一番 ちと・・・なんだかなあ~?と思うのは個人的には寛政の改革の松平定信です~。
松平定信は吉宗の孫になります。定信直前の為政者は老中 田沼意次(おきつぐ)。昔は「田沼の政治」と言えば賄賂が横行する悪い政治と習いました。田沼意次はそれこそ時代劇に出てくる悪代官そのもののイメージ。ですが、これはすべて松平定信のイメージ戦略だったとの最近の説があります。確かに付け届けや現代なら賄賂に近い物もあったのですが、それは江戸時代の慣習法でもあり田沼が特に悪い事をしたという事実は無いようです。実は田沼意次は経済眼がすごくあり有能な人だった。江戸時代と言えば石高制。武士のお給料は米で払われる。でも米は食べ物であるから売ってお金に変えなければならない。この米を買う商人を札差と言い、実はお米は札差に買いたたかれていました。そりゃそうで、たくさん出回れば安くなってしまうのは道理です。ならば高い時に売ればよいのですがそういう事は「武士はしないもの」だったらしい。泣く泣く安値で売ってたのでしょうかねえ。。。

武士の困窮はこの「米給料制度」が原因と考え、田沼意次は貫高制にしようとしてたらしいです。貫高制と言えば戦国時代初期の制度。簡単に言えば土地から取れるお米を銭に換算するものです。つまりこれからはお給料を米ではなく銭で払おうというのです。こうすればお米は幕府の方で高い時に放出する、とか色々出来て幕府の財政も潤うと考えていたそうです。そして貨幣改鋳。お金の金銀の含有量を減らし、減らした金銀を使い新しくお金を多くつくって幕府の財源にする。そして結局はそのお金が市中にばら撒かれる。これは今でいうお金を刷ってお金の供給量を増やす政策。「黒田バズーカ」の江戸版ですね。つまり流通する貨幣量を増やしデフレを解消する政策でした。言ってみれば重農政策に対して重商政策を行おうとしてました。

しかしこういう考えが松平定信は大嫌いでした。
なんでかと言うと、一番は「祖の法を崩す」 祖先が考えた法律を変えることは儒教において大罪だというわけです。また士農工商と言う身分でもわかる通り、金もうけとは汚い行為と見ていたんだそうです。「商は詐なり」(商売とは騙すことだ)儒教に反するそんな事を幕府がするなんてもっての外じゃ~!!そういう意味で松平定信は田沼意次が大っ嫌いでした。田沼意次の悪事(ほとんどが冤罪)を流布したのは定信だったとも言われる所以です。意次の息子  意知(おきとも)は「悪事の報いで」暗殺されますが、これも松平定信のさしがね説があります。

お上の政策はすべて「金権政治の田沼が悪い」と流布されていた江戸庶民は この暗殺を聞いて大喜びしたとか。意次は息子の死に落胆したのか、その後すぐに失脚します。これには天明の大飢饉直後の政治の混乱という理由もありますが、やっぱり松平定信の謀事だそうです。この田沼意次に剣術指南役として重用されていたのが秋山小平。池波正太郎「剣客商売」の主人公です。池波正太郎はまだまだ田沼意次が「悪徳政治家」と思われていたであろう時代に 既に先見の明を持った有能な政治家(老中)であったと描いています。たぶん、こっちが正しいんじゃないかなあ、と思います。

田沼の失脚後、田沼色をすべて払拭するため松平定信は動き出します。田沼から取り上げた領地に建っていた城は破却。それは礎石まで掘り出して打ち捨てるという念の入れよう。そして「昔に帰れ」とばかりに寛政の改革を行いました。それは庶民から楽しみを奪う「清い改革」でまたまた重農政策。貨幣改鋳は元に戻され市中に出回る金銀が減少、再びデフレ化させる事になってしまいました。この時代を映す有名な狂歌がありますよね。

白河の 清きに魚も 住みかねて もとの濁りの 田沼恋しき
(松平定信は白河藩主)
白河の水(政治)が清すぎて魚(庶民)は住みにくい、濁っていた田や沼(田沼政治)が恋しい、戻りたい。
「水清くして魚住まず」を地でいってる狂歌ですねえ(苦笑)もしかして、この狂歌が語源かしらん???

ただ松平定信は地元白河では名君で通っていたそうです。一番は天明の大飢饉の時、自領白河藩の飢えにうまく対処したこと。ただ飢饉で苦しむ他国からコメを自国だけに集めたとかいう説もあります。またこの飢饉直後だったので重農政策、贅沢禁止になりやすかったことなどの理由はありますが・・・やっぱやりすぎな「清い」政治家という評価でしょうねえ。。。

振り返れば現在、衆議院の選挙ですけど、「清い」とか「改革」とか耳触りの良い言葉には注意が必要なのかもしれませんねえ。。。

PS  ちなみに池波正太郎「鬼平犯科帳」もこの時代の作品。主人公の鬼平こと長谷川平蔵 宣以(のぶため)も「白河公は清廉すぎる」と言うようなことを小説の中で言ってるんですよね。ドラマだと上司は若年寄 京極備前守。多分 松平定信は出てないんじゃないかと思うんです。一応全作観てますが・・・出てこなかったような。。。
♪パンツ占い♪
今日のパンツ占いだよ!
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エロ漫画家 藤咲 真です。


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