「ジェーン・ドゥの解剖」を観ました。
やっと観たかった「ジェーン・ドゥの解剖」を観ました。
毎度のごとく前情報を全く入れていないのでどういう映画か全然わかりません。が「解剖」となっているのでもちろんグロ系とは想像してました。一時その手にハマった事もありましたが現在ではホラーでも少々苦手分野。ただ「ジエーン・ドゥ」という名前に惹かれて観たかったのです。「グロ系ゾンビだろうなあ」と想像していました。が、その通りなのですが良い意味で期待を裏切ってくれました(笑)
ーーーーあらすじ、ネタバレありーーーー
アメリカの田舎町で一家3人の惨殺事件が起こる。3人の死には謎が残り強盗とも言えず原因は不明。家族で殺し合った?むしろこの家から出ようとして殺されたように見える。そんな時、捜査員が地下室で女性の死体を見つけた。それは美しい女性の全裸死体で半分土に埋められていた。
彼女はジェーン・ドゥと名付けられる。日本でいうと「名無しのゴンベエ」的な不明死体に仮に付けられる名前。解剖請負の業者に回され解剖されることになった。そこはトミーとオースティンの親子で運営している民間業者。既に数体の遺体の解剖を終え、帰ろうとする間際にジェーン・ドゥは運ばれてきた。いつも通りラジオを鳴らしながら解剖に入る。
外傷がなく、死因は不明。しかも美しい。体を切り開くと体内に不審な点がいくつも見つかっていく。まず舌がない。手首足首は折られており、肺は黒焦げ。しかも外傷が無いのに内蔵が傷つけられている。胃の中には毒草、そして布にくるまれた歯が出てきた。その歯をくるんだ布にはペンタグラムが描かれてある。ペンタグラムは肌にもあった。また胴が異様に細く、父オースティンはコルセットを巻いていたと推測する。コルセットはかなり昔のファッション。こんな若い女性がつけるものだろうか・・・。そういった発見をするとラジオが異様な声を流す。急に天候が崩れ、最初は混信と思っていた二人だが徐々に気味悪さが増してくる。
ま~解剖なのでグロ系です。それが苦手な方はキツイですが徐々に謎が出てきて、その度にラジオの異音や謎の金属音。冷蔵庫の臓器が割れたりとホラーな雰囲気が増してくる。なかなかいいと思いました。
胃から出た布をよく調べると「Leviticus 20:27」という聖書の一説、そして「1693」という数字を発見。そこで聖書と歴史を調べると魔女狩りについて書かれたページそしてアメリカ最大の魔女裁判「セイラム事件」の年だとわかった。まさかこの女性は320年前の魔女裁判で拷問を受け死んだ女性なのか??
きたきたきた~!って感じですね(笑)も~魔女でオカルトとは思ってませんでした。密室(解剖室)に閉じ込められて徐々に謎が解かれて行き怪異が起き始めるというホラーの流れなのですが、期待してなかったせいかかなり良く感じました。急に天候が悪化、電気が切れ暗闇に。その暗闇に何かいる…。密室ホラーです。なかなか怖い。謎解きがオカルトでいい。魔女裁判というテーマがいいと思いました。
ーーーーーーーーーーーー
この映画はどっかの映画祭で注目をあつめたとか。「密室で巻き起こる珠玉のホラー映画、ホラー好きはもちろんミステリー好きにもおすすめな作品」との評価。自分もそう思います。ホラー好きだと少し先が読めてしまいますがそれでもよかった。この映画が各地域で単館上映だったのは本当に残念。確か17歳以上だったと思うので仕方ないかなと感じますが低予算で名作はホラーの神髄(笑)でもまあ「ジェーン・ドゥの解剖」は低予算っぽくはないですけど。キャストのギャラが高そう。
毎度のごとく前情報を全く入れていないのでどういう映画か全然わかりません。が「解剖」となっているのでもちろんグロ系とは想像してました。一時その手にハマった事もありましたが現在ではホラーでも少々苦手分野。ただ「ジエーン・ドゥ」という名前に惹かれて観たかったのです。「グロ系ゾンビだろうなあ」と想像していました。が、その通りなのですが良い意味で期待を裏切ってくれました(笑)
ーーーーあらすじ、ネタバレありーーーー
アメリカの田舎町で一家3人の惨殺事件が起こる。3人の死には謎が残り強盗とも言えず原因は不明。家族で殺し合った?むしろこの家から出ようとして殺されたように見える。そんな時、捜査員が地下室で女性の死体を見つけた。それは美しい女性の全裸死体で半分土に埋められていた。
彼女はジェーン・ドゥと名付けられる。日本でいうと「名無しのゴンベエ」的な不明死体に仮に付けられる名前。解剖請負の業者に回され解剖されることになった。そこはトミーとオースティンの親子で運営している民間業者。既に数体の遺体の解剖を終え、帰ろうとする間際にジェーン・ドゥは運ばれてきた。いつも通りラジオを鳴らしながら解剖に入る。
外傷がなく、死因は不明。しかも美しい。体を切り開くと体内に不審な点がいくつも見つかっていく。まず舌がない。手首足首は折られており、肺は黒焦げ。しかも外傷が無いのに内蔵が傷つけられている。胃の中には毒草、そして布にくるまれた歯が出てきた。その歯をくるんだ布にはペンタグラムが描かれてある。ペンタグラムは肌にもあった。また胴が異様に細く、父オースティンはコルセットを巻いていたと推測する。コルセットはかなり昔のファッション。こんな若い女性がつけるものだろうか・・・。そういった発見をするとラジオが異様な声を流す。急に天候が崩れ、最初は混信と思っていた二人だが徐々に気味悪さが増してくる。
ま~解剖なのでグロ系です。それが苦手な方はキツイですが徐々に謎が出てきて、その度にラジオの異音や謎の金属音。冷蔵庫の臓器が割れたりとホラーな雰囲気が増してくる。なかなかいいと思いました。
胃から出た布をよく調べると「Leviticus 20:27」という聖書の一説、そして「1693」という数字を発見。そこで聖書と歴史を調べると魔女狩りについて書かれたページそしてアメリカ最大の魔女裁判「セイラム事件」の年だとわかった。まさかこの女性は320年前の魔女裁判で拷問を受け死んだ女性なのか??
きたきたきた~!って感じですね(笑)も~魔女でオカルトとは思ってませんでした。密室(解剖室)に閉じ込められて徐々に謎が解かれて行き怪異が起き始めるというホラーの流れなのですが、期待してなかったせいかかなり良く感じました。急に天候が悪化、電気が切れ暗闇に。その暗闇に何かいる…。密室ホラーです。なかなか怖い。謎解きがオカルトでいい。魔女裁判というテーマがいいと思いました。
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この映画はどっかの映画祭で注目をあつめたとか。「密室で巻き起こる珠玉のホラー映画、ホラー好きはもちろんミステリー好きにもおすすめな作品」との評価。自分もそう思います。ホラー好きだと少し先が読めてしまいますがそれでもよかった。この映画が各地域で単館上映だったのは本当に残念。確か17歳以上だったと思うので仕方ないかなと感じますが低予算で名作はホラーの神髄(笑)でもまあ「ジェーン・ドゥの解剖」は低予算っぽくはないですけど。キャストのギャラが高そう。
民主主義??
寝ながらある動画を見ていたら「某国は民主主義を体現している」「大統領を民衆がデモで下したのは進んだ民主主義だ」「これこそ国民主権だ」みたいな事を言ってまして…おかしいなあ、、、という感想を持ちました。
民主主義とは「国民主権(主権在民)」「法の支配」「基本的人権の尊重」の3原則でしたっけ?確かこんな風に習ったと思います。この中で一番需要なのは「基本的人権の尊重」だとも習った記憶があります。どこで読んだか忘れましたが以前、「宿題を忘れたら裸になる」という規則を学級みんなで決めた。すると女の子が宿題を忘れてしまった。そこでクラス全員で多数決をとったところ「ルール通り裸にするべきだ」という意見になった。女の子はみんなの前で裸にされた…。実際にこういう事件があったと読んだ気がします。作り話だとしても、これは「何かおかしい」「間違ってないか?」となるのが民主主義の考えだと思います。まずみんなで決めたのが「主権在民」。そして裸になるルールをつくって守らせたのが「法の支配」になるのかと思います。けど「宿題を忘れたら裸になる」はあまりにも行過ぎに感じますよねえ。なぜなら民主主義で最も重要とされる「基本的人権」が軽んじられてるからだと思います。これは刑法より憲法の方が上の法律だというのと同じ。だから死刑反対論が根強い(これだけが理由ではないでしょうが)んだと思います多数決だからと言って「基本的人権」は守られねばならない。これが民主主義なんだと思います。転じると「民衆がローソクもって大勢」で、は多数決って事ですよねえ。それが絶対正しいとは言えませんしこの場合は「法の支配」からも外れてるんじゃないかしらん??とも思うんです。それとも「デモ何人以上で抗議されれば罷免される」って法でもあるのかしらん??多数決は民意を知る便利な道具に過ぎず絶対ではない、というのが今の考えだと思います。なにせナチスドイツも選挙(多数決)で当選したんですし。しかし某国が言ってるのは「大勢の意見(行為)は絶対正しい」、「多数決絶対」を言っているように見える。道具に過ぎない「多数決」が「絶対」だと考えているように見える。。。
こう考えるとお隣の国のデモは民主というより民衆主義。「国民主権(主権在民)」の暴走とも言えるのではないかなあ…と。フランス革命(民主革命)と同列に言ってる人もいますが基本、フランスは革命(体制変革)ですが某国はどちらかと言えばクーデター(同一体制での政権交代)になるかなあと思うのです。つまり意味が全然違うと思います。これをもって「進んでる」とは言えないような…。アメリカでさえやったことがないことをしたとも言ってましたが、アメリカが聞いたら苦笑するような気がします。。。
って、自分は中学時代の「公民」で習った程度の知識しかないので私のとらえ方の方が間違っている部分があるかもしれません。でも「多数決が絶対正しい」ならば「野党」は存在しません。選挙で大多数が支持した方が絶対正しいのだから少数は排除するべきですから。それが共産主義国。日本でも某党は党首選挙すら無いとか。「あなたの意見は受け入れられないが、あなたがそう発言する事は尊重する(認める)」これが議会制民主主義精神だと習った気がします。よくよく考えると「慰安婦本裁判」「日本の旭日旗は絶対許さない!!!」等々、この精神は無縁なものになっている…のでしょうかねえ…????
でも転じて日本を見てみると日本はむしろ「少数」を大事にしすぎてるように感じます。これまた民主主義の「行過ぎ」暴走なのかもしれません。日本はそれこそ逆に某国を見習って「多数決」、大勢になった方をもっと大事にすべきかも知れません…こう考えるとやっぱ完璧な制度というのは無いのでしょうね。でもそこがまた面白いのかも(って言ってちゃいけない場合かもしれませんが)
民主主義とは「国民主権(主権在民)」「法の支配」「基本的人権の尊重」の3原則でしたっけ?確かこんな風に習ったと思います。この中で一番需要なのは「基本的人権の尊重」だとも習った記憶があります。どこで読んだか忘れましたが以前、「宿題を忘れたら裸になる」という規則を学級みんなで決めた。すると女の子が宿題を忘れてしまった。そこでクラス全員で多数決をとったところ「ルール通り裸にするべきだ」という意見になった。女の子はみんなの前で裸にされた…。実際にこういう事件があったと読んだ気がします。作り話だとしても、これは「何かおかしい」「間違ってないか?」となるのが民主主義の考えだと思います。まずみんなで決めたのが「主権在民」。そして裸になるルールをつくって守らせたのが「法の支配」になるのかと思います。けど「宿題を忘れたら裸になる」はあまりにも行過ぎに感じますよねえ。なぜなら民主主義で最も重要とされる「基本的人権」が軽んじられてるからだと思います。これは刑法より憲法の方が上の法律だというのと同じ。だから死刑反対論が根強い(これだけが理由ではないでしょうが)んだと思います多数決だからと言って「基本的人権」は守られねばならない。これが民主主義なんだと思います。転じると「民衆がローソクもって大勢」で、は多数決って事ですよねえ。それが絶対正しいとは言えませんしこの場合は「法の支配」からも外れてるんじゃないかしらん??とも思うんです。それとも「デモ何人以上で抗議されれば罷免される」って法でもあるのかしらん??多数決は民意を知る便利な道具に過ぎず絶対ではない、というのが今の考えだと思います。なにせナチスドイツも選挙(多数決)で当選したんですし。しかし某国が言ってるのは「大勢の意見(行為)は絶対正しい」、「多数決絶対」を言っているように見える。道具に過ぎない「多数決」が「絶対」だと考えているように見える。。。
こう考えるとお隣の国のデモは民主というより民衆主義。「国民主権(主権在民)」の暴走とも言えるのではないかなあ…と。フランス革命(民主革命)と同列に言ってる人もいますが基本、フランスは革命(体制変革)ですが某国はどちらかと言えばクーデター(同一体制での政権交代)になるかなあと思うのです。つまり意味が全然違うと思います。これをもって「進んでる」とは言えないような…。アメリカでさえやったことがないことをしたとも言ってましたが、アメリカが聞いたら苦笑するような気がします。。。
って、自分は中学時代の「公民」で習った程度の知識しかないので私のとらえ方の方が間違っている部分があるかもしれません。でも「多数決が絶対正しい」ならば「野党」は存在しません。選挙で大多数が支持した方が絶対正しいのだから少数は排除するべきですから。それが共産主義国。日本でも某党は党首選挙すら無いとか。「あなたの意見は受け入れられないが、あなたがそう発言する事は尊重する(認める)」これが議会制民主主義精神だと習った気がします。よくよく考えると「慰安婦本裁判」「日本の旭日旗は絶対許さない!!!」等々、この精神は無縁なものになっている…のでしょうかねえ…????
でも転じて日本を見てみると日本はむしろ「少数」を大事にしすぎてるように感じます。これまた民主主義の「行過ぎ」暴走なのかもしれません。日本はそれこそ逆に某国を見習って「多数決」、大勢になった方をもっと大事にすべきかも知れません…こう考えるとやっぱ完璧な制度というのは無いのでしょうね。でもそこがまた面白いのかも(って言ってちゃいけない場合かもしれませんが)
変な言葉?「生前退位」
今年のはじめから話題であった今上陛下の退位問題。これを「生前退位」とよくニュースで言っていましたが「なんか変な言葉💦」と、ず~~っとしっくりきていませんでした。この言葉、何か変な感じあるなあと思いつつわからないまま。。。
それが先日あるラジオを聞いていたら解説者が「『生前退位』とは変な言葉だ。ちゃんと『譲位』という言葉がある」
あ、これだ~!と合点。天皇陛下が生前に皇位を譲る『譲位』。この事例は歴史上幾度となくある…というか江戸以前は普通の事です。わかってみると、なんで大騒ぎすんの?と普通に普通に思いますが「生前退位」という新語のおかげで騙されて(?)いました(苦笑)
またその後、びみょ~に左系のメディアが「退位したのちの天皇陛下の称号はどうするのか」なんて問題提起をしてましたが、これはさすがにすぐわかりました。「上皇」ですよね。「これ以外ないんじゃないの」と問題にもならないような。記者って日本史習わないのかしら?とも思ってしまったり。。。
前述しましたが「譲位」なら歴史上何回も、というより毎回と言っていい程です。問題ない気がするのですけど…何か問題になるのでしょうか?裏に何かあるのかしらん?また天皇陛下が何らかの理由で公務に専念できないようなら現代でも「摂政」「関白」がおけるらしいのです。だとしたら皇太子殿下が「関白」になるという選択肢もあったんでしょうかねえ。
でも「譲位」「上皇」「摂政」「関白」…現代でもこういう言葉が通用する日本は新めて長い歴史が息づいてるなあ…と歴男の自分は思いました。
それが先日あるラジオを聞いていたら解説者が「『生前退位』とは変な言葉だ。ちゃんと『譲位』という言葉がある」
あ、これだ~!と合点。天皇陛下が生前に皇位を譲る『譲位』。この事例は歴史上幾度となくある…というか江戸以前は普通の事です。わかってみると、なんで大騒ぎすんの?と普通に普通に思いますが「生前退位」という新語のおかげで騙されて(?)いました(苦笑)
またその後、びみょ~に左系のメディアが「退位したのちの天皇陛下の称号はどうするのか」なんて問題提起をしてましたが、これはさすがにすぐわかりました。「上皇」ですよね。「これ以外ないんじゃないの」と問題にもならないような。記者って日本史習わないのかしら?とも思ってしまったり。。。
前述しましたが「譲位」なら歴史上何回も、というより毎回と言っていい程です。問題ない気がするのですけど…何か問題になるのでしょうか?裏に何かあるのかしらん?また天皇陛下が何らかの理由で公務に専念できないようなら現代でも「摂政」「関白」がおけるらしいのです。だとしたら皇太子殿下が「関白」になるという選択肢もあったんでしょうかねえ。
でも「譲位」「上皇」「摂政」「関白」…現代でもこういう言葉が通用する日本は新めて長い歴史が息づいてるなあ…と歴男の自分は思いました。
小松和彦「京都 妖界案内」・・・「事実は合理的よりも奇なり」(改定)
先日、いつもどおり病院に行ってまいりました。(「ブレード・ランナー」を観た日)
病院は完全予約制なのですが1時間前後待たされることがあります。いつもはただぼ~~~として待っているのですが、今回は買っていてまだ読んでない本をもっていきました。その本は小松和彦「京都 妖界案内」。
以前に何回か書いたと思いますがこの手の本で一番最初に読んだ本は小松和彦&内藤正敏「鬼がつくった国・日本」。この本の中心はずばり日本のかつての帝都・平安京がどのように造られたかという事。平安京が唐の首都長安をまねて造られた事、そして平安京は四神相応の地になっていることは今や有名ですが、わざわざ長岡京造成を中止して何故 平安京を造ったか以前は諸説がありました。長岡京が洪水に襲われ地味が悪いからとも言われましたが、その主な原因は造成責任者の藤原種継の暗殺、そしてその首謀者の一人として皇太子 早良親王(さわらしんのう)が罪に問われ幽閉、無実を訴え食を断ち餓死した為と言われています。
事実 早良親王は無実だった。では何故 罪をかぶせられたかというと当時の桓武天皇が実の子に皇位を譲りたかった為。早良親王は桓武天皇の弟でした。弟がなぜ皇太子なのかというと 父 聖武天皇が桓武天皇のあとは弟の早良親王につがせよと決めたからです。
しかし父帝の崩御の後、桓武天皇は弟よりやっぱり実子に継がせたいと思うようになります。親としては当然の思いですが父帝の決め事を簡単には破れないし周囲も納得しない。そんな時長岡京造成の長官藤原種継が大伴氏に暗殺される事件が起きる。ここぞとばかりに早良親王がこの事件に連座しているとして皇太子を取り消し、実子の安殿親王を皇太子にしました(のちの平城天皇)。早良親王は無実を訴え憤死(怒りを抱えながら死ぬ)。この早良親王が歴史上 初の怨霊と言われます。つまり早良親王の怨霊から逃れるため、桓武天皇は長岡京造成を中止、四神相応の地である平安京(京都)に都を移したとされています。しかも早良親王が怨霊になるということはとりもなおさず「無実であった」事を証明してます。無実でなけりゃそんな強い怨みに怯える必要ないですから。
最近では教科書にもこの説が(初の怨霊信仰として)載るようになりましたが「鬼がつくった国・日本」が出版された20年くらい前は「怨霊を恐れて都を移す、そんなバカなことがあるもんか」が主流でした。そんな中、小松和彦の「死者(怨霊)がこの世を動かす」「都さえも鬼(怨霊)の影響で造られた」はとても新鮮で目からウロコでした。しかしながら…最近読んだ「京都妖界案内」では「平安京が造られたのは早良親王の怨霊を恐れたせいではない」みたいな事が書かれてあり驚きました。
何故なら京都という都市が「あらゆる鬼から守られる形で設計された都市」であるから早良親王の怨霊のせいではないというんです。う~ん・・・確かに古地図から紐解いた説得力あるものですが、これは民俗学者の吉野裕子先生がとにかくなんでも「陰陽五行説」となんか似てるような。でもさすが学者です、地図を論理的に紐解いたものですから。でもやっぱり日本は鬼 怨霊信仰の国 ではないかと思います・・・というかそっちの方がいい(爆)だからやっぱ「怨霊への恐れ」が平安京遷都だと考えたいですねえ(笑)「早良親王の怨霊(への恐れ)」が都を造ったと…。
何故なら今回の「京都 妖界案内」を読んで「あらゆる鬼から守られる形で設計された都市」というのはむしろ「後付け増強」に感じたからです。
この「後付け増強」というのは理論に「後付け増強した」という意味ではなく「もともとは早良親王の怨霊対策だけれども、その対策は鬼神封じにもなる(後付け増強)」という意味。
例えるなら「蚊に刺されるのが嫌だから虫よけスプレーを使った」場合。
この行為を後から論理的に考えると「虫よけスプレーは蚊ばかりに効くものではない。だからこの人は蚊の対策だけとは断言できない」と言うようなもの。つまり虫よけスプレーの効能が広く色々な虫に効いてしまうので誤解が生まれるという事です。これは論理的に考える頭がいい学者だからこそ起こる事だと思うんですよね。「あそこはやぶっ蚊が多いし、虫よけスプレー使おう。ついでにほかの虫よけにもなるしね」発端はやっぱ「蚊」であり「蚊」が虫よけスプレーを使った原因。つまり
「怨霊」が怖い=「蚊」が嫌いだ
これが真実だけど後(後世)からみると
「平安京はすべての鬼神に対する防御になっている」=虫よけスプレーを使う
「だから平安遷都は早良親王の怨霊のせいではない」=全ての虫に効くのだから「蚊」が原因ではない
これと同じになってるように感じるんです。
先に早良親王が歴史上 初の怨霊と書きましたこれは現在の歴史学?上での話。実はそれより先に怨霊ではないかと言われてる方がおります。それは長屋王。里中真知子先生が「長屋王」という漫画を描いています。けど読んでないのでそちらは判りませんが、本当の「初」怨霊は長屋王ではないかという説は多いです。
奈良時代、聖武天皇がお母さんである藤原宮子を皇后(大夫人)と敬称するよう詔を出します。当時は幾人も妻があり身分によって皇后、妃、女御など名前が付けられていました。その中のトップである「皇后」には皇族の係累でなければ付けないという不文律がありました。「藤原」宮子と「藤原」姓でもわかる通り、聖武天皇のお母さんは藤原氏出身。普通は皇后になれませんが聖武天皇はそれを「皇后」としたのです。
それに反対したのが長屋王。また聖武天皇の妻の一人である、これまた藤原氏出身の光明子を皇后にする事にも反対していました。当時政権を牛耳っていたのは藤原4兄弟(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)。4兄弟はなんとしても藤原の血を引く天皇を誕生させたい。その為には自分たちの妹である光明子を皇后にしたい。それに反対している旗頭筆頭の長屋王はなんとしても排除しなければならない。
藤原4兄弟は長屋王が「自分の息子を皇太子にするため天皇を呪っている」という罪をでっち上げました。長屋王は藤原4兄弟が差し向けた軍勢に取り囲まれ失意のうちに妃、皇子と共に自殺します。。。
も~怨霊になる条件はそろいましたね。しかも「タタリ」まで起きます。長屋王の死後、間もなくして都に「もがさ」という疫病が蔓延。多数の死者がでます。天然痘です。この流行り病により藤原4兄弟は順番に死んでいきました。しかもあれだけ待望した藤原氏の血を引く男の子、基王は1歳で夭折(数えだから0歳)これを当時の人は「長屋王のタタリ」と見たんですね。この時こそが長屋王の「怨霊」つまり初の「怨霊誕生」ではないかと言う説があります。
この後聖武天皇、そして皇后となった光明子がその当時は「最新の科学」である仏教の熱心な信者になります。(もともと信者でしたが「熱心な」になります)そして全国に国分寺を建て、当時の国費のほとんどを費やして奈良に大仏を建立。仏教で国家安定を願ったのに国家財政を破綻にまで追い込んでしまう。「奈良の大仏」の建立理由は「聖武天皇、そして皇后となった『光明子が熱心な仏教信者』だから」と習いました。納得できるような出来ないような。国家財政を傾けてまで「仏教にすがった」のは長屋王のタタリを恐れたせいではないのかしらん??つまり「国家を安定させる仏の功徳」は「後付け増強」でその発端・・・「蚊」は「長屋王の怨霊」ではないのかしらん?
「長屋王のタタリだと当時の人は考えた」というのは憶測で文献上の証拠はありません。文献上は早良親王が「初」怨霊です。だけど「長屋王=初怨霊」説、自分はこの説の方が好きなんですよね(笑)これぞ「鬼がつくった国・日本」って感じですし(長屋王の話は載ってませんけど)だから小松和彦先生はこういう説が好きなのではと思っていましたがどうやら違う感じ。。。ちなみに長屋王の御父上、高市皇子(たけちのみこ)にも「初怨霊」説があります。
ある人が心霊スポットの空き家に行った。どうやら祟られたらしい。不動明王のお札を身に着けた。不動明王はすべての悪霊に効果があった。
平安京の設計はここでいう「不動明王のお札」になります。「怨霊(早良親王)への恐れが平安京を造った」この説のほうが自分としてしっくりきます。時として「実在するもの」(地図からみた平安京)よりも「続日本記」などの書物の方が正しい時があるのかもしれません。これもまた「事実は小説より奇なり」かも。ここでは「事実は合理的よりも奇なり」ですかね~。自分でいうのもなんですけどこの言葉気に入った(笑)使っていこう「事実は合理的よりも奇なり」(笑笑笑)
病院は完全予約制なのですが1時間前後待たされることがあります。いつもはただぼ~~~として待っているのですが、今回は買っていてまだ読んでない本をもっていきました。その本は小松和彦「京都 妖界案内」。
以前に何回か書いたと思いますがこの手の本で一番最初に読んだ本は小松和彦&内藤正敏「鬼がつくった国・日本」。この本の中心はずばり日本のかつての帝都・平安京がどのように造られたかという事。平安京が唐の首都長安をまねて造られた事、そして平安京は四神相応の地になっていることは今や有名ですが、わざわざ長岡京造成を中止して何故 平安京を造ったか以前は諸説がありました。長岡京が洪水に襲われ地味が悪いからとも言われましたが、その主な原因は造成責任者の藤原種継の暗殺、そしてその首謀者の一人として皇太子 早良親王(さわらしんのう)が罪に問われ幽閉、無実を訴え食を断ち餓死した為と言われています。
事実 早良親王は無実だった。では何故 罪をかぶせられたかというと当時の桓武天皇が実の子に皇位を譲りたかった為。早良親王は桓武天皇の弟でした。弟がなぜ皇太子なのかというと 父 聖武天皇が桓武天皇のあとは弟の早良親王につがせよと決めたからです。
しかし父帝の崩御の後、桓武天皇は弟よりやっぱり実子に継がせたいと思うようになります。親としては当然の思いですが父帝の決め事を簡単には破れないし周囲も納得しない。そんな時長岡京造成の長官藤原種継が大伴氏に暗殺される事件が起きる。ここぞとばかりに早良親王がこの事件に連座しているとして皇太子を取り消し、実子の安殿親王を皇太子にしました(のちの平城天皇)。早良親王は無実を訴え憤死(怒りを抱えながら死ぬ)。この早良親王が歴史上 初の怨霊と言われます。つまり早良親王の怨霊から逃れるため、桓武天皇は長岡京造成を中止、四神相応の地である平安京(京都)に都を移したとされています。しかも早良親王が怨霊になるということはとりもなおさず「無実であった」事を証明してます。無実でなけりゃそんな強い怨みに怯える必要ないですから。
最近では教科書にもこの説が(初の怨霊信仰として)載るようになりましたが「鬼がつくった国・日本」が出版された20年くらい前は「怨霊を恐れて都を移す、そんなバカなことがあるもんか」が主流でした。そんな中、小松和彦の「死者(怨霊)がこの世を動かす」「都さえも鬼(怨霊)の影響で造られた」はとても新鮮で目からウロコでした。しかしながら…最近読んだ「京都妖界案内」では「平安京が造られたのは早良親王の怨霊を恐れたせいではない」みたいな事が書かれてあり驚きました。
何故なら京都という都市が「あらゆる鬼から守られる形で設計された都市」であるから早良親王の怨霊のせいではないというんです。う~ん・・・確かに古地図から紐解いた説得力あるものですが、これは民俗学者の吉野裕子先生がとにかくなんでも「陰陽五行説」となんか似てるような。でもさすが学者です、地図を論理的に紐解いたものですから。でもやっぱり日本は鬼 怨霊信仰の国 ではないかと思います・・・というかそっちの方がいい(爆)だからやっぱ「怨霊への恐れ」が平安京遷都だと考えたいですねえ(笑)「早良親王の怨霊(への恐れ)」が都を造ったと…。
何故なら今回の「京都 妖界案内」を読んで「あらゆる鬼から守られる形で設計された都市」というのはむしろ「後付け増強」に感じたからです。
この「後付け増強」というのは理論に「後付け増強した」という意味ではなく「もともとは早良親王の怨霊対策だけれども、その対策は鬼神封じにもなる(後付け増強)」という意味。
例えるなら「蚊に刺されるのが嫌だから虫よけスプレーを使った」場合。
この行為を後から論理的に考えると「虫よけスプレーは蚊ばかりに効くものではない。だからこの人は蚊の対策だけとは断言できない」と言うようなもの。つまり虫よけスプレーの効能が広く色々な虫に効いてしまうので誤解が生まれるという事です。これは論理的に考える頭がいい学者だからこそ起こる事だと思うんですよね。「あそこはやぶっ蚊が多いし、虫よけスプレー使おう。ついでにほかの虫よけにもなるしね」発端はやっぱ「蚊」であり「蚊」が虫よけスプレーを使った原因。つまり
「怨霊」が怖い=「蚊」が嫌いだ
これが真実だけど後(後世)からみると
「平安京はすべての鬼神に対する防御になっている」=虫よけスプレーを使う
「だから平安遷都は早良親王の怨霊のせいではない」=全ての虫に効くのだから「蚊」が原因ではない
これと同じになってるように感じるんです。
先に早良親王が歴史上 初の怨霊と書きましたこれは現在の歴史学?上での話。実はそれより先に怨霊ではないかと言われてる方がおります。それは長屋王。里中真知子先生が「長屋王」という漫画を描いています。けど読んでないのでそちらは判りませんが、本当の「初」怨霊は長屋王ではないかという説は多いです。
奈良時代、聖武天皇がお母さんである藤原宮子を皇后(大夫人)と敬称するよう詔を出します。当時は幾人も妻があり身分によって皇后、妃、女御など名前が付けられていました。その中のトップである「皇后」には皇族の係累でなければ付けないという不文律がありました。「藤原」宮子と「藤原」姓でもわかる通り、聖武天皇のお母さんは藤原氏出身。普通は皇后になれませんが聖武天皇はそれを「皇后」としたのです。
それに反対したのが長屋王。また聖武天皇の妻の一人である、これまた藤原氏出身の光明子を皇后にする事にも反対していました。当時政権を牛耳っていたのは藤原4兄弟(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)。4兄弟はなんとしても藤原の血を引く天皇を誕生させたい。その為には自分たちの妹である光明子を皇后にしたい。それに反対している旗頭筆頭の長屋王はなんとしても排除しなければならない。
藤原4兄弟は長屋王が「自分の息子を皇太子にするため天皇を呪っている」という罪をでっち上げました。長屋王は藤原4兄弟が差し向けた軍勢に取り囲まれ失意のうちに妃、皇子と共に自殺します。。。
も~怨霊になる条件はそろいましたね。しかも「タタリ」まで起きます。長屋王の死後、間もなくして都に「もがさ」という疫病が蔓延。多数の死者がでます。天然痘です。この流行り病により藤原4兄弟は順番に死んでいきました。しかもあれだけ待望した藤原氏の血を引く男の子、基王は1歳で夭折(数えだから0歳)これを当時の人は「長屋王のタタリ」と見たんですね。この時こそが長屋王の「怨霊」つまり初の「怨霊誕生」ではないかと言う説があります。
この後聖武天皇、そして皇后となった光明子がその当時は「最新の科学」である仏教の熱心な信者になります。(もともと信者でしたが「熱心な」になります)そして全国に国分寺を建て、当時の国費のほとんどを費やして奈良に大仏を建立。仏教で国家安定を願ったのに国家財政を破綻にまで追い込んでしまう。「奈良の大仏」の建立理由は「聖武天皇、そして皇后となった『光明子が熱心な仏教信者』だから」と習いました。納得できるような出来ないような。国家財政を傾けてまで「仏教にすがった」のは長屋王のタタリを恐れたせいではないのかしらん??つまり「国家を安定させる仏の功徳」は「後付け増強」でその発端・・・「蚊」は「長屋王の怨霊」ではないのかしらん?
「長屋王のタタリだと当時の人は考えた」というのは憶測で文献上の証拠はありません。文献上は早良親王が「初」怨霊です。だけど「長屋王=初怨霊」説、自分はこの説の方が好きなんですよね(笑)これぞ「鬼がつくった国・日本」って感じですし(長屋王の話は載ってませんけど)だから小松和彦先生はこういう説が好きなのではと思っていましたがどうやら違う感じ。。。ちなみに長屋王の御父上、高市皇子(たけちのみこ)にも「初怨霊」説があります。
ある人が心霊スポットの空き家に行った。どうやら祟られたらしい。不動明王のお札を身に着けた。不動明王はすべての悪霊に効果があった。
平安京の設計はここでいう「不動明王のお札」になります。「怨霊(早良親王)への恐れが平安京を造った」この説のほうが自分としてしっくりきます。時として「実在するもの」(地図からみた平安京)よりも「続日本記」などの書物の方が正しい時があるのかもしれません。これもまた「事実は小説より奇なり」かも。ここでは「事実は合理的よりも奇なり」ですかね~。自分でいうのもなんですけどこの言葉気に入った(笑)使っていこう「事実は合理的よりも奇なり」(笑笑笑)