魔王死す
24日は魔王と言われた将軍 足利義教（よしのり）が暗殺された日です。
嘉吉元年（1441年）6月24日、室町幕府6代将軍 足利義教（よしのり）が部下の赤松満祐（あかまつ みつすけ）に討たれました。その日、赤松満祐から「うちの庭にいるカルガモが子供を産み、かわいいので見にいらしてください」という酒宴の誘いがあり「じゃいってみっか」と重臣とわずかな護衛と共に出向いたそうです。宴もたけなわ、したたか酔ったところで突然赤松家の武士が乱入してきて将軍 足利義教を庭に連れ出すとあっという間に首をはねてしまったそうで・・・。「万人恐怖」と恐れられ「魔王」とあだ名された将軍にしてはあっけない最後だったかもしれません・・・。
ーーーー以下、趣味の話ですーーーー
以前も書きましたが足利義教は約100年後の織田信長にすごく似てるんですよね。つーか、この場合逆ですね織田信長が足利義教に似てるのかも。義教は武力によって天下泰平を目指し、比叡山を焼き討ち（自殺ですが）残酷だと恐れられ「魔王」と言われたと。部下を些細な事で手打ちにしたとも書かれています。これも第六天魔王 信長に似ていますよね。ただ当時はこれが最高の手法だったとも言えなくも無いような気がします。
以前も書いたと思いますが中学の頃「応仁の乱」ひいては室町時代（+南北朝時代）が一番理解できませんでした。例えば平安から鎌倉は貴族から武士へ、鎌倉から室町は北条氏から足利氏へと変化がわかります。だけど日本史最大の乱「応仁の乱」（この乱から日本は中央政府崩壊、戦国時代へ突入）の説明が「将軍の後継問題に有力な守護大名の山名氏と細川氏の対立がからんで応仁の乱がおこった」としか書いてなかったんです。「なんじゃこれ？わけわからん」と思いました。
一番最初に思ったのは「将軍って絶対権力者じゃなかったの？なんで部下に左右されるの？」これです。
ＴＶの時代劇というのは江戸時代が舞台というのが大多数ですよね。そこに出てくる「将軍」は絶対権力者で皆ひれ伏しています。水戸黄門も「前の副将軍」（実際、そういう役職はなかったそうですが）だから「はは～」と皆ひれ伏すわけです。「もはやこれまで！お手向かいいたしますぞ！！」と言う悪代官ばっかりですが、その地のお殿様が出てきて土下座でお詫びしたりします。つまり「将軍は絶対権力」という刷り込みがどうしてもあるんです。
これは後から見てるからなんですよね。つまり江戸時代の将軍は室町時代の将軍の失敗を直したからこそ「絶対権力者」になってるんですよね。それは大大名の存在（扱い）です。室町時代の山名氏なんて「6分の1殿」というあだ名まであったそうです。どういう意味かというと「日本の6分の1の領主」だから。本当に6分の1ではないですがものすごい大大名です。その山名氏が侍所の長官という権力も与えられました。つまり将軍並みに「武力がある」上に「権力」までもっていたんですよねえ。つまり室町時代は「部下が強すぎる」時代だったんですよね。
これを知った徳川家康は権力と武力（財力＝領地）を完全に分けました。老中（江戸時代の最高臣）は譜代の家臣しかなれませんが領地は３万石～10万石。しかし幕府の重臣には決してなれない外様大名（関が原以後に味方になった大名）には100万石の前田家、江戸時代通して幕府の隠密が入り込めなかったと言われる島津家は71万石、西軍総大将だった毛利家だって37万石（幕末には実質80万石だったとか）です。つまり権力を持つものには武力（領地）を持たせない、武力を持つものには権力を与えないと完全に分けたんですよね。それでいて徳川将軍家は400万石と飛びぬけていました。
つまり室町時代の大名には江戸時代にはない、将軍家並みの大大名が結構いたということなんです。だから室町時代の将軍は「強い部下」を抑えきれず絶対権力者にはなれなかった（なりにくかった）んですよねえ。この説明がすっぽり抜けて「応仁の乱がおこった」とか書かれても「？？？」になっちまいます・・・。ちなみにもう一つ。当時の教科書では守護大名と戦国大名の違いがよく書かれてありませんでした。だから「戦国時代の大名が戦国大名」と思い込んでました。それはその通りなんですけど「守護大名から戦国大名になった者もいた」と言われると「？」になってしまいました。守護大名とは室町幕府から任命を受けて大名になった者。つまり正式な大名です。戦国大名はそんな任命なんて受けてないのに実力で領地を奪い大名になっている者、早く言えば無法者ですよねえ。尾張の織田信長も正式な守護大名斯波氏の家老の部下の家系なのですが、その斯波氏から実力で尾張半国を奪った戦国大名です。
多分、最大の皮肉は「絶対権力者がいなくなると乱がおこる（大きくなる）」っつー事でしょうか。魔王が殺されて応仁の大乱が起こり天魔王が死んで「冷徹なたぬきオヤジ」が絶対権力構造を作るまで戦が続きましたしね。善かれ悪しかれ、絶対権力者がいないと「平和」って維持できないかもしれないのかなあ・・・と思ったり。。。
ーーーーーーーーーーーー
中学の時は意味がわからず大嫌いだった室町時代ですが、今は一番好き（笑）
「信長の野望」で応仁の乱シナリオでも出してくれないかなあ。大味すぎてなんとなくつまんないような気がしないでもないですが・・・。でも、ま、今出ても買えないんですけど・・・。。。
嘉吉元年（1441年）6月24日、室町幕府6代将軍 足利義教（よしのり）が部下の赤松満祐（あかまつ みつすけ）に討たれました。その日、赤松満祐から「うちの庭にいるカルガモが子供を産み、かわいいので見にいらしてください」という酒宴の誘いがあり「じゃいってみっか」と重臣とわずかな護衛と共に出向いたそうです。宴もたけなわ、したたか酔ったところで突然赤松家の武士が乱入してきて将軍 足利義教を庭に連れ出すとあっという間に首をはねてしまったそうで・・・。「万人恐怖」と恐れられ「魔王」とあだ名された将軍にしてはあっけない最後だったかもしれません・・・。
ーーーー以下、趣味の話ですーーーー
以前も書きましたが足利義教は約100年後の織田信長にすごく似てるんですよね。つーか、この場合逆ですね織田信長が足利義教に似てるのかも。義教は武力によって天下泰平を目指し、比叡山を焼き討ち（自殺ですが）残酷だと恐れられ「魔王」と言われたと。部下を些細な事で手打ちにしたとも書かれています。これも第六天魔王 信長に似ていますよね。ただ当時はこれが最高の手法だったとも言えなくも無いような気がします。
以前も書いたと思いますが中学の頃「応仁の乱」ひいては室町時代（+南北朝時代）が一番理解できませんでした。例えば平安から鎌倉は貴族から武士へ、鎌倉から室町は北条氏から足利氏へと変化がわかります。だけど日本史最大の乱「応仁の乱」（この乱から日本は中央政府崩壊、戦国時代へ突入）の説明が「将軍の後継問題に有力な守護大名の山名氏と細川氏の対立がからんで応仁の乱がおこった」としか書いてなかったんです。「なんじゃこれ？わけわからん」と思いました。
一番最初に思ったのは「将軍って絶対権力者じゃなかったの？なんで部下に左右されるの？」これです。
ＴＶの時代劇というのは江戸時代が舞台というのが大多数ですよね。そこに出てくる「将軍」は絶対権力者で皆ひれ伏しています。水戸黄門も「前の副将軍」（実際、そういう役職はなかったそうですが）だから「はは～」と皆ひれ伏すわけです。「もはやこれまで！お手向かいいたしますぞ！！」と言う悪代官ばっかりですが、その地のお殿様が出てきて土下座でお詫びしたりします。つまり「将軍は絶対権力」という刷り込みがどうしてもあるんです。
これは後から見てるからなんですよね。つまり江戸時代の将軍は室町時代の将軍の失敗を直したからこそ「絶対権力者」になってるんですよね。それは大大名の存在（扱い）です。室町時代の山名氏なんて「6分の1殿」というあだ名まであったそうです。どういう意味かというと「日本の6分の1の領主」だから。本当に6分の1ではないですがものすごい大大名です。その山名氏が侍所の長官という権力も与えられました。つまり将軍並みに「武力がある」上に「権力」までもっていたんですよねえ。つまり室町時代は「部下が強すぎる」時代だったんですよね。
これを知った徳川家康は権力と武力（財力＝領地）を完全に分けました。老中（江戸時代の最高臣）は譜代の家臣しかなれませんが領地は３万石～10万石。しかし幕府の重臣には決してなれない外様大名（関が原以後に味方になった大名）には100万石の前田家、江戸時代通して幕府の隠密が入り込めなかったと言われる島津家は71万石、西軍総大将だった毛利家だって37万石（幕末には実質80万石だったとか）です。つまり権力を持つものには武力（領地）を持たせない、武力を持つものには権力を与えないと完全に分けたんですよね。それでいて徳川将軍家は400万石と飛びぬけていました。
つまり室町時代の大名には江戸時代にはない、将軍家並みの大大名が結構いたということなんです。だから室町時代の将軍は「強い部下」を抑えきれず絶対権力者にはなれなかった（なりにくかった）んですよねえ。この説明がすっぽり抜けて「応仁の乱がおこった」とか書かれても「？？？」になっちまいます・・・。ちなみにもう一つ。当時の教科書では守護大名と戦国大名の違いがよく書かれてありませんでした。だから「戦国時代の大名が戦国大名」と思い込んでました。それはその通りなんですけど「守護大名から戦国大名になった者もいた」と言われると「？」になってしまいました。守護大名とは室町幕府から任命を受けて大名になった者。つまり正式な大名です。戦国大名はそんな任命なんて受けてないのに実力で領地を奪い大名になっている者、早く言えば無法者ですよねえ。尾張の織田信長も正式な守護大名斯波氏の家老の部下の家系なのですが、その斯波氏から実力で尾張半国を奪った戦国大名です。
多分、最大の皮肉は「絶対権力者がいなくなると乱がおこる（大きくなる）」っつー事でしょうか。魔王が殺されて応仁の大乱が起こり天魔王が死んで「冷徹なたぬきオヤジ」が絶対権力構造を作るまで戦が続きましたしね。善かれ悪しかれ、絶対権力者がいないと「平和」って維持できないかもしれないのかなあ・・・と思ったり。。。
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中学の時は意味がわからず大嫌いだった室町時代ですが、今は一番好き（笑）
「信長の野望」で応仁の乱シナリオでも出してくれないかなあ。大味すぎてなんとなくつまんないような気がしないでもないですが・・・。でも、ま、今出ても買えないんですけど・・・。。。
